メリット デメリット
電力の消費地近くで発電するため送電ロスが小さい 個々の設備の発電量は小さい
送電のための設備投資が少なくて済む 集中型電源よりも発電効率が悪い
少数の発電所が停止しても、他でカバーすることができる 電力そのものの品質低下が起きる可能性がある
家庭やビルや工場でも発電ができる メンテナンスや定期点検などに手間がかかる
コージェネレーションは熱も有効活用できる 人口密集地で事故が起きた場合のリスク
対象地域の電力供給安定化が見込める 補助金制度を使っても高額な初期投資が必要となる

賛成意見 反対意見
災害時などの対応において、分散型電源は優れたシステムだと思います。震災等で送電網が寸断された際でも、地元に電源があれば電気を使うことができるのは助かるはずです。

そして、各自治体が災害時の分散発電も視野に入れて電源整備を行うことは、緊急時の電源供給を電力会社に任せきりにするのでなく、個々の自治体が、災害全体に対してどこまで自己責任でリソースを割いておくのかという政策論議を促し、災害全体に対する備えが進むことも考えられそうです。
今の電力会社は供給責任を負っていますが、分散型電源では責任の所在がどこにあるのか曖昧になりそうです。

電力会社のみが責任を負うというのなら、極端な話、電力会社は他の小口供給者の供給がゼロであることを想定し、分散型電源が導入されていないのと同等の供給余力を持っておかなければならないことになりそうです。となると実質的に設備過剰となってしまい、何のための分散型電源なのかわからなくなってしまいます。

かといって小口供給者に責任を負わせるとなると、参入しようという動きが鈍くなりそうで、その責任の所在を明確にできない限り、私は反対です。
分散型電源は、電力消費地の近くに発電設備があることで、送電によるロスがすくないことや、災害などの緊急時にも電力供給がある程度見込めるという点が良いところだと思います。電力をせっかく作っても、送電時にロスが多いのでは非常に非効率なエネルギー供給となってしまいます。

また、世界的に見ても、地震が多い地域に国のほぼすべてが入っているという日本の地域性を考えても、非常時にどれだけ電力供給ができるか、たとえ落ちても復旧を早く進めることができるかということはとても大切です。

このような必要性に、分散型電源は応えることができるシステムであるといえます。
分散型電源のデメリットとして、発電装置の発電効率が大規模なものと比べて落ちてしまうという点や、初期投資や運転管理に資金的にも人材的にも労力を注がねばならないという点があげられると思います。

電力会社が所有しているような大規模発電装置は、大掛かりであるからこそ可能になった発電効率をもちあわせており、また専門家も多く存在しているため、運転に際しての安心もあります。

分散型電源は、企業や家庭での設置運用が主なものとなり、初期投資に資金投入が必要なだけでなく、安全な発電をしていくために管理が必要となります。そこに割く労力が確保できるかが問題です。

参考サイト
みんなの自然エネルギー 日本電機工業会