メリット デメリット
エネルギー効率が良い 初期投資が高くなる
電気料金を削減することができる 電気料金の削減効果に満足できないことがある
二酸化炭素排出量が少なめで環境に優しい 二酸化炭素の削減効果が過小評価されている
停電してもガスが使えれば稼働することができる ガス料金が高くなるとコストが増える
非常用電源として活用することもできる ガスの供給が途絶えてしまった場合は使うことができない
家庭用製品(エネファーム・エコウィル)もある 家庭用製品と比べて産業用製品は知名度が低い
自家発電設備としてビルや工場などにも導入できる コージェネレーションという言葉の知名度も低い
停電よりもガスが止まる方が確率が低い ガス会社は積極的にPRしているが電力会社は消極的

賛成意見 反対意見
東日本大震災の時、多くの地域が停電となり、街はパニック状態に陥りました。その中でコージェネレーションを備えたビルやホテルは停電にならず、大きな災害のなかでも重要な機能を果たしました。

コージェネレーションはこのように災害時のリスク分散という意味で有効です。

更に最近では大規模な工業団地や再開発地区で地区全体の電力をまかなうコージェネレーションシステムも導入され、遠距離通電によるエネルギーロスを解消しています。
コージェネレーションの熱源はオイルまたはガスです。従って基本的には火力発電と同じシステムです。原発事故以来全国の原子力発電がストップして火力発電に切り替えた結果、電力会社は大幅な赤字経営に追い込まれています。

すなわち全てを火力発電に頼れば、電気料金を値上げしなければ採算はとれません。

更に火力発電はCO2を発生するので、地球温暖化問題に対しても推奨されるエネルギーシステムではありません。そのため、同じようなシステムを用いているコージェネレーションシステムは主流にはなりえないでしょう。
工場などではあらゆる業種で熱を排出しています。家庭でも必要とされる電気に対し光熱費は大きなウェイトを占めます。工場などの場合、家庭に比べて熱利用がしやすいという場面もあります。

面白いと思う事例がマイナスの熱エネルギーを利用する場合で、北海道でコンピューターサーバーの冷却に外気を利用するというものです。

これはサーバー運営に必要な電気代の何割かが冷却用のエアコンによるものという結果を受け、冷たい北海道の外気を利用したという事です。
コージェネレーションのデメリットはそのコストです。確かに熱の再利用によって燃料コストは節約できるのですが、まずその機械にコストが掛かるのです。

これは熱源に合わせて設計する必要がある為に各工場ごとのワンオフになりやすいのです。

掛けたコストに対してそれだけのメリットが引き出せるかというと難しいのが現状です。業務形態や立地によっても条件が変わりますし、それを検討する更にコストが掛かる事になります。

その他にも回収した熱源を何に使うかという問題やその機械に場所を取られてしまう問題も起こります。
通常の火力発電などの発電機は、電気を生み出すのに多くのエネルギーが排熱として無駄になっているのに対して、コージェネレーションはその熱をエネルギーとして活用するので、効率が良く、トータルで考えるとコストが削減できます。

石油やガスなどの貴重な天然資源を節約することにもつながり、別で熱を生み出すための燃料が節約されることになるので、省エネでエコにもなります。ですから、多く取り入れられるほどいいことだと思います。
熱回収をきちんと行えるシステムを整えるのに、初期費用やメンテナンスが必要になるのは問題です。また、通常の発電システムより故障や不具合が生じる率が高いので、家庭に取り入れるには、メンテナンスなどが面倒になります。

また、使用する電気と熱のバランスによっては、せっかく回収できる分の熱が無駄になり、効率が良くならないという場合もあります。特に業務用では、常時熱を利用できる環境でない場合、効率化や節約にならないこともよくあります。

参考サイト
A.C.E.J みんなの自然エネルギー